四十年あまり前、ルナ子ども問題研究所の岩佐京子さんの著書「テレビ
に子守をさせないで」がベストセラーになりました。
いまは子どもにとってさらに問題のある電気機器があります。それは
テレビゲームです。身体や心が心身ともに定着する大人になる前に電磁
波を浴びると、さまざまな好ましくない影響が出てくるのです。
そのさい、チェックすべきポイントとしては、電力の強さ、身体と電
気機器との距離、使用時間があります。テレビゲームにはこれらのすべ
てに問題があるのです。しかもその影響をもっとも受けやすいのが脳な
のです。
日本大学の森昭雄教授は、全くテレビゲームをしたことのないグルー
プ(A群)と毎日二時間以上ゲームをしているグループ(B群)にテレビ
ゲームをさせてその前後の脳波を調べています。
A群は前後とも脳波に異常は認められません。一方、B群はゲームを
する前から異常が出ているのです。
その異常波とは、なんと痴呆と同じ脳波なのです。その原因を、森さ
んはテレビゲームの乱用によって脳の前頭前野の機能低下を来たしてい
ることに起因すると述べています。
京都医療少年院の精神科医岡田尊司さんはこのことをゲーム・ネット
依存症によるネットアパシーとして警告を発生しています。
そして、岡田さんが診ている異常行動児、とくにADHD(多動性障
害)・DBD(破壊性行動障害)の子どもとテレビゲームの間には密接な
関係があることを指摘しています。
岡田さんは「脳内汚染からの脱出」の中で「悪夢はクリスマスプレゼン
トから始まった」として親のプレゼントで顛落してゆく子どもの姿をみ
ごとに描き出しています。
子どもを犠牲にして栄える国はありません。これからの日本を支える
子どもたちの未来をテレビゲームや携帯電話などによって暗いものにし
ていただきたくないものです。 |