「病をみるな、人をみよ」私どもが医学生の頃に医学概論の講義で学んだことです。
現在、医療の現場では、このことが生かされていないように思います。 年とともに医療が細分化されていき、人をみるという根本が失われているように思われます。
自分の体について考える時も、体全体をみるという大局的な視点を絶えず持ち続けていただきたいのです。 生身の人間である以上、いろいろな症状に見舞われるのは当然です。
そうした時に個々の症状にとらわれずに、体全体に気を配ることが肝要です。 その時に、
第一指標になるのは機嫌と元気です。
機嫌が良いと言うのは精神的に安定しているということです。元気があるということは身体的に安定しているということです。 次に気配りするのは、快食、快眠、快便です。食欲があり、よく眠れ、
きちんと便が出ている時は体調がよいということです。 逆にこれらの五つの点(機嫌・元気
・快食・快眠・快便)
に異常が見られるときは体に問題があると考えて、生活環境の見直しをする必要があります。 その際、
自分の健康を考える時に、もっとも気配りをしなければならないのは低体温です。
新潟大学院免疫学教授の安保徹さんは「低体温が万病をつくる」と低体温の恐ろしさを訴え続けておられます。 その体温が、いま年とともに低下してきています。
特に子どもの未来を考える時には今から十分に注意を払わねばなりません。体温が低いということは免疫力や自然治癒力が低下しているということで、
病気になりやすくなるからです。 平常から自分の体温に注意を払い、低体温の人は、
なぜ体温が低いのかをしっかりとわきまえて、それに対する対策を立てておくべきです。
体温を通じて、自分の体全体に十分留意していただきたいと思います。 |